昔から言い伝えられている「ことわざ」。
昔のことわざや格言には、普遍的な価値があり、人生の「幸せ」を考えるうえで、実はことわざから学ぶことがたくさんあります。
今回は、そんな、日本のことわざから見つかる「幸せ」(ウェルビーイング)について、「温故知新」的な気持ちで調べてみました。
人それぞれにとって、ピンとくるような「幸せなヒント」が見つかればいいな、と思い集めてみましたので、ぜひご覧ください。
「初心忘るべからず」(ビギナーズマインド)
意味: 勉強や仕事など、始めようと思った時の真剣な気持ちを忘れてはいけない
《解説》
世阿弥の言葉で、「禅」で最も重要な考え方です。
かのスティーブ・ジョブズも「ZEN- beginners mind」という本を読んでいたそうです。
初心者の心とは・・・「空」であり 、経験や知識・情報から来る「癖」や「偏見 」がなく 「すべて」の可能性を受け入れる「開かれた」心 。物事を「ありのままに」見ることのできる心であり 、一瞬の閃きで 、物事すべての「本来の姿」を悟ることのできる心のことです。
こういう「初心」の心を忘れてはなりませんね。
「地に足がつく」
意味: こころが落ち着いて安定している状態のこと。
《解説》
両足の裏をしっかりと地面についていると、自然とこころが安定してきます。
まさにマインドフルネス瞑想で大切な姿勢、「グラウンディング」と同じ意味。
反対に「地に足がつかない」とは「こころが落ち着かない」という意味になります。
「心を込める」
意味: 愛情や配慮、願い、祈りなどの気持ちを十分に含ませること。
《解説》
「念」に近い意味です。
人の為に手作りのプレゼントを作っている時や、「心を込めて作った折鶴」など、相手を思いやって「こころをこめている」時は、とっても心豊かな(マインドフルな)気持ちになりますね。
窮すれば通ず(きゅうすればつうず)
意味: 困ってどうにもならなくなると、かえって色々な知恵が働いて、何とか道が開けるものである。
《解説》
現代風に言うと、「ピンチはチャンス」という意味ですね。人間、困難や逆境に追い込まれている時こそ、何とかそこから抜け出そう、立ち直ろうという気持ちが大切です。
そういう気持ちがあれば、茂木健一郎氏がいう「エピファニー(神の啓示)」が降りてきて、不思議と人生に道が開けてくるものです。
人生の困難にぶつかるということは、人が大きく成長して「幸せ」になるための訓練なのかもしれませんね。
(以前ブログで描いた絵です)
世は情け(よはなさけ)
意味: 世の中を生きていく時、お互いが思いやりの心を持って助け合うことが大切だということ。
《解説》
日本人が持つ美意識、まさに「コンパッション」(思いやり)です。
大震災や様々な災害の時へのボランティア精神、困った人に手を差し伸べる心優しさ、特に日本人として忘れてはならない精神だと思います。
笑う門には福来たる(わらうかどにはふくきたる)
意味: いつも朗らかで笑いを忘れず、明るくにこにこと暮らしている家庭には、幸せがやってくる。
《解説》
笑っている瞬間がやっぱり一番「幸せ」ですよね。
笑っている人の周りには、自然に「幸せ」は集まってくるものです。歳を取ってもいつまでも笑顔でいたいですね。
阿吽の呼吸(あうんのこきゅう)
意味:二人の息がぴったり合っていること。
《解説》
「幸せ」な言葉?って思うかもしれませんが、仲睦まじい夫婦がこんな関係であったら、きっと「幸せ」何だろうな、と思い敢えて入れてみました。
こういう言葉を交わさなくても分かり合える「幸せ」感は、おそらく日本人特有のものではないでしょうか?(「以心伝心」も同じ意味です)
情けは人の為ならず(なさけはひとのためならず)
意味:人に情けをかけるのは、その人のためになるだけではなく、めぐりめぐって自分にも返ってくるということ。人には親切にしようということ。
《解説》
「世は情け」と同じです。中途半端な親切心は、巡り巡って自分に返って来るもの、決して善いことではありません。
テイク(もらう)よりもギブ(あげる)の方が幸せになれるし、「恋」(自分が中心に想う)よりも「愛」(相手を中心に想う)である方が、より「幸せ」な気持ちになれ流のではないでしょうか。
物は考えよう(ものはかんがえよう)
意味:同じ出来事でも考え方次第でよくも悪くもなるということ。不幸や失敗に沈んでいる人を慰めるのによく使う。
《解説》
ポジティブ志向のことです。人は物事を捉える時に思い癖が出るものです。
特に現代のような先の見えない時代には良くない方向に考えがちですが、こんな時こそ世の中が良い方向に行くと信じていく方が、人生は幸せな方向に向かうと思います。
どんな時でも楽観的に、物事がいいように考えた方が「幸せ」ですね。
その他、ことわざから見つかる「幸せ」を集めてみました
残りは、ざっと駆け足でご紹介してゆきたいと思います。
塞翁が馬(さいおうがうま)
意味:人生では何が幸せになるか、何が不幸せになるかわからないというたとえ。
《解説》
「人事を尽くして天命を待つ」あとは神頼みです。
人間は、できないことをやること以上に、まずはできることに最善を尽くすことが大切。
やれることは最善を尽くしてやれば、たとえ結果がついて来なかったとしても悔いはないと思います。自分ができることを一生懸命にやることこそ「幸せ」への第一歩なのではないでしょうか。
足るを知る者は富む(たるをしるものはとむ)
意味:欲深くならずに、分相応なところで満足をすることができる者は、心が豊かである。
《解説》
何事も強欲になりすぎずに、適度な欲を満たすことで自分に満足できるくらい余裕がある方が、こころにゆとりができて「幸せ」な気持ちになれると思います。
残り物に福がある(のこりものにふくがある)
意味:人々の取り残した物にしばしば利得があるということ。争って手を出したりしない遠慮深い人に、かえって幸運が訪れるということ。
《解説》
先ほどの解説と似ていますが、強欲になって奪い合うよりも、時には人に譲るくらいの余裕を持っていると、後に残ったものが実は一番幸運なものだったりするものです。
命の洗濯(いのちのせんたく)
意味:衣類に付いた垢や汚れを洗い落とすように、思い切り楽しむことで日ごろの生活で積み重なった苦労を忘れてさばさばすること。
《解説》
嫌なことも忘れて、我を忘れるくらい「思いきり楽しむ」瞬間こそ、幸せなひとときですね。時にはこういうことをしていたいものです。
日日是好日(にちにちこれこうじつ)
意味:一日一日が楽しく平和でよい日であること。毎日を大切に生きることを教えたもの。
《解説》
一日一日を大切に味わって生きる。一日の良かったことを振り返って、また明日の良いことを見つけながら生きることで、人間は人生のよろこびを味わうことができると思います。
財少なければ悲しみ少なし(ざいすくなければかなしみすくなし)
意味:金持ちでなければ心配や悲しみは少なく、気楽なものであるということ。
《解説》
お金は必要だと思いますが、お金がありすぎてもまた厄介なことが多くなる、ということですかね。気楽なのが一番だと思います。
起きて働く果報者(おきてはたらくかほうもの)
意味:豊かな生活であれば申し分ないが、たとえ苦しい生活であっても、病床にあることなく健康で働けるほどの幸福はないという意味。
《解説》
健康で毎日働けることに感謝して生きてゆきたいですね。
探せば探すほど、ことわざから「幸せ」のヒントが見つかってくるものです。
今も昔も「幸せ」の本質は一緒だと思います。
一日一日を大切にして、何事にも明るい方向をみていくように心掛けることで、人はひとつずつ幸せの階段に登って行けるのだろうな、と思います。
You Only Live Once(人生は一度きり)...
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